IRBパシフィック・ネーションズカップ2012

エディー・ジョーンズHC率いる新生(純正)ジャパンへの期待が高まる中で、「IRBパシフィック・ネーションズカップ2012」が愛知県は瑞穂ラグビー場、東京は秩父宮ラグビー場を舞台に開催されました。
 昨年の覇者日本代表は3戦全敗の最下位。僅差の勝負に持ち込みながらも、あと一歩のところで勝ち切れません。優勝国のサモアにはトライ数(日本4、サモア3)で上回りながらもです。
どの試合も敗因は複合的ではありますが、最大のものは力とスピードを主としたフィジカルの違いです。1対1の強さの差です。そんな当たり前のことをいまさら……とか、それを言っちゃラグビーはできないでしょという声も聞こえてきそうですが、真面目に書いています。
もちろん日本人がラグビーをする以上、そんなものを理由にあげる選手はいません。ただ、そのフィジカルの差を安易になのか? 短時間になのか? その差だけを埋めようとすると昨年のW杯の日本代表のように、半数近くが外国人選手ということにもなりかねません。(昨年の日本代表も、それはそれで魅力あるチームでした。)
もし身体が大きいから、力が強いから、という理由だけで勝ってしまうような競技なら、ラグビーに魅力は感じられません。ラグビー日本代表の場合ならば、知と心・技・体の限りを尽くして、いかに身体の大きな外国人に挑むかが最大の面白さなのです。
 フィジカルの差を何で埋めるのか、日本人のどの特性を生かして、いかに勝負するのか、ここに出来立てほやほやの新生日本代表は取り組んでいます。
 今回の結果に「またか」と善戦呪縛にがっかりするファンも多いことと思いますが、私見ながらうれしい事をひとつ。
 昨年までの日本代表の司令塔スタンドオフには、複数のニュージーランド人が選ばれていました。(現トップリーグのスタンドオフも外国人選手が多い)それは日本ラグビーにとって大きな損失だったはずです。要となるポジションの経験値が上がらないからです。
また、ゲームメイクは日本人では……? という解釈もできます。しかし、今回の「IRBパシフィック・ネーションズカップ2012」では、小野晃征、立川理道という二人のスタンドオフが、激しいプレッシャーにさらされながらも、有機的にラインを動かし、積極果敢にゲームを組み立てていました。
“挑む!”その強い意志力を感じました。
 エディー・ジョーンズHCは、2015年には世界の10位に入ることを目標にしているようです。その遥かな道程を私たちファンも共に歩みたいと思います。
「IRBパシフィック・ネーションズカップ2012」
大会期間:2012年6月5日-23日
試合会場:東京・秩父宮ラグビー場/愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場/未定(フィジー)
試合結果:
6月5日(火)愛知・名古屋市瑞穂公園ラグビー場
サモア 20-18トンガ
日本 19-25フィジー
6月10日(日)東京・秩父宮ラグビー場
フィジー 26-29サモア
日本20-24トンガ
6月17日(日)東京・秩父宮ラグビー場
日本 26-27サモア
6月23日(土)フィジー
フィジー vs トンガ
「IRBパシフィック・ネーションズカップ」とは、
「ティア1」と呼ばれるイングランド、ウェールズ、アイルランド、スコットランド、フランス、イタリアの欧州6カ国とニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの世界のトップ10に次ぐ、2番手グループ「ティア2」の底上げを目的に設立された国際大会です。
2006年に始まった大会は、ジュニア・オールブラックスやニュージーランドマオリ、オーストラリアA代表なども参戦していましたが、2010年から現行の日本、フィジー、サモア、トンガの4か国間で開催されるようになりました。
日本代表は2011年第6回大会で初優勝を遂げています。
「WE LOVE RUGBY」は国内の全てのラグビーを応援しています!
2012年6月20日 私の新刊が発売されます。

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タイトルは『あの負けがあってこそ~再起を懸けたアスリート25の軌跡』です。
内容は、ラグビーに限らず様々な競技から25名のトッププレーヤーや監督を取り上げ、競技人生最大の敗北からいかに立ち上がり、頂点を掴んだかに焦点を当てています。人は敗北や挫折を味わい、そこから立ち上がる時に美しく輝くものです。アスリートの「人」に迫った作品に仕上がっています。
スポーツを愛する方へ!
【プロフィール】
大元よしき(タイゲン ヨシキ)
1962年生まれ。2003年外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆。弓道三段。保善高校からラグビーを始め、チームは2、3年時に花園に出場するが、グラウンドに立てたのは開会式のみ。東洋大学、関東社会人リーグの東急、ミノルタで17年間ラグビーと共に歩む。
著書に
「あの負けがあってこそ~再起を懸けたアスリート25の軌跡」「命のバトン~個性派不登校児と自閉症児の教室」「1万回の体当たり~タックルマン石塚武生 炎のメッセージ~」「一緒に見上げた空~自閉症児×元不登校児 武蔵野東ラグビー部の軌跡~」「ジャパンラグビー革命」(上田昭夫/大元よしき共著)「ファイナルマッチ~ノーサイドの時を迎えて~(小説)」(大元夏樹名で発刊)。
その他イーブックでは、
「猛き風~伊藤剛臣世界への挑戦~」「最後のスクラム(小説)」あり。