日本選手権準決勝「サントリーvs東芝」

3月31日~4月1日「HSBCセブンズワールドシリーズ 東京セブンズ2012」が秩父宮ラグビー場で開催されるため、荒れた芝を養生する期間として、今回の日本選手権準決勝は国立競技場で行なわれました。
カードは現在国内でもっとも熱いと言われている「サントリーvs東芝」です。
その熱いはずの試合の観客数は、なんと7179人……。少ないとは感じていましたが、ここまでとは。
さて、試合後の会見でサントリーのエディー・ジョーンズHCは苦渋に満ちた表情を浮かべ、「東芝戦は面白くない」と語っていましたが、観る側にとっては、やはりもっとも熱いカードと言える内容だったのではないでしょうか。
リーグ1攻撃力の高いサントリーとリーグ1ディフェンス力の高い東芝ですが、試合は予想に反し「入り」から東芝が攻め込みました。テンポよくラックからボールを動かし、連続展開を仕掛け、サントリーのディフェンス網を何度も突破し、あるいは下げることに成功しました。しかし、サントリーの組織的な機能を奪うまでには至りません。
時にゴールラインを割り、テレビマッチオフィシャル(TMO)と呼ばれる、さまざまな角度から映されたテレビによる判定にまで持ち込みますが、東芝のトライは成らず……。それが2度までも。
これが取り切れていたならば、流れは変わっていたことでしょう。ここが勝敗の分かれ目だったと言えます。
穿った見方をすればサントリーのディフェンスは、TMOのカメラさえも身体を使ってディフェンスしていたのではないかと思えてきます。
前半のボール保持率は圧倒的に東芝が優位だったはず、しかしサントリーのディフェンス力の前に、後半は足が止まり、攻撃が単調なパターンの繰り返しになってしまいました。この日のサントリーのディフェンス網は懐が深く、東芝が何度突破しても崩し切れません。それで攻め疲れ、平常心が保てなかったのではないでしょうか。唯一奪ったトライのように、セットプレートから一気にトライを取り切るようなサインを使えば、局面が変わったような気がします。それはあくまでも私見ですが。
結果は「サントリー23-8東芝」でした。
リーグ戦後の記者会見でサントリーのエディー・ジョーンズHCは「東芝には2度と勝たせない」と語気を荒げていましたが、まさに指揮官の気迫がチームを短期間に進化させたと言えそうです。
準決勝もうひとつの試合は「NEC3-41パナソニック」。
やはりサントリー、パナソニック、東芝の3強の強さを際立たせる結果となりました。
日本選手権の決勝は、3月18日(日)国立競技場です。
熱く激しくシーズンを終えたいですね。
最後まで楽しみましょう。
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【プロフィール】
大元よしき(タイゲン ヨシキ)
1962年生まれ。2003年外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆。弓道三段。保善高校からラグビーを始め、チームは2、3年時に花園に出場するが、グラウンドに立てたのは開会式のみ。東洋大学、関東社会人リーグの東急、ミノルタで17年間ラグビーと共に歩む。
著書に
オススメ!「命のバトン~個性派不登校児と自閉症児の教室」
オススメ!「1万回の体当たり~タックルマン石塚武生 炎のメッセージ~」
「一緒に見上げた空~自閉症児×元不登校児 武蔵野東ラグビー部の軌跡~」
「ジャパンラグビー革命」(上田昭夫/大元よしき共著)
「ファイナルマッチ~ノーサイドの時を迎えて~(小説)」(大元夏樹名で発刊)。
その他イーブックでは、
「猛き風~伊藤剛臣世界への挑戦~」「最後のスクラム(小説)」あり。