トップリーグプレーオフ セミファイナル~ファイナルへ

2/19(日)トップリーグプレーオフトーナメントのセミファイナルが行なわれました。
このプレーオフトーナメントに出場できるのは全13節の結果、勝ち点の多い上位4チームです。
以下、少しわかりづらい表で恐縮ですが、その数字を示します。
よく「リーグ戦の結果なんて、プレーオフトーナメントの参考にはならない」という声を耳にしますが、長い長いリーグ戦を戦うわけですから、終了時の数字からはいろいろな意味が読み取れるのではないでしょうか?
                   
1位:サントリー    12勝1敗、T65、G50、PG29、反則140、得点512、失点278、 得失点234、勝点57
2位:東芝       11勝2敗、T72、G53、PG 3、 反則119、得点475、失点 173、得失点302、勝点55
3位:パナソニック   11勝2敗、T64、G50、PG20、反則123、得点480、失点 324、得失点156、勝点53
4位:NEC        8勝5敗、T50、G33、PG11、反則138、得点349、失点 314 、得失点 35、勝点41
これが今回プレーオフトーナメントに進出した4強です。
トップリーグは年々レベルが上がってきていると言われますが、その中でもサントリー、東芝、パナソニックは完全に他を引き離しトップ3を形成しています。4位のNECと比較してみれば一目瞭然。勝率、勝点がそれを物語っています。
元々NECというチームは攻撃力よりも、鬼気迫るほどの防御力が売りのチームでした。それで一時代を築いたのですが、年々各チームともに組織的なディフェンスが整備されてきたので、その特異性を失いつつあります。また、ディフェンスが強いという反面、得点力という点では力不足が否めません。ですが今季、フィジーの代表歴を持つ195cm、129kgのネマニ・ナドロ選手が加入し、19トライを挙げてトライ王が確定しています。その決定力をいかに活かすかが、NECがこのプレーオフトーナメントで存在感を示す最大の要素でした。(しかし……。)
そのNECが挑んだのは1位通過のサントリー。超高速でどこからでも、多彩に攻め、取り切る力を持つ。今もっとも勢いのあるチームです。リーグ戦では唯一東芝戦のみ星を落とし、直後の会見では、世界的指導者であるエディー・ジョンズHCが「東芝には2度と勝たせない」と言葉も熱くプレーオフに臨んでいます。
また、その東芝はといえば、上位4強の中では突出して失点が少ないチームです。また反則数も少なく、PGもダントツに少ないんですね。ここから、東芝のスタイルが見えてきます。エリアに関わらずあくまでも得点はPGではなく、トライにこだわるということです。その意識がボールの保持率を高め、反則数を少なくし、失点をリーグ最小に抑えているということでしょう。スタンディングラグビーを標榜し何年か経ちますが、フィジカルの強さはリーグ一ではないでしょうか。ちなみにトライ数ではリーグ1を誇っています。
その東芝と対戦するのは最終節に大敗を喫したパナソニックです。今季は主力選手を怪我で欠き、苦しいシーズンとなっていますが、勝ち方を知っているチームは最後の最後に勝利を収めながら、ここまで戦ってきました。最終節では「力対力で負けた。プレーオフでは東芝を前に出させない」と会見で語っていました。
その結果は以下の通りです。
<02/19(日) プレーオフセミファイナルの結果>
 パナソニック 37 – 25 東芝
 サントリー 56 – 8 NEC
先にも触れましたが、トップリーグのレベルは年々高まっています。
確かに中堅、下位のチームにもキラリと光るプレーヤーがいますし、特異なカラーでファンを魅了するチームもあります。しかし、トップ3との格差は開くばかりと感じているファンも多いのではないでしょうか。
それが今回のプレーオフセミファイナルの「サントリー vs NEC」の結果にも表れてしまいました。
この日、NECはトライ王のナドロ選手をスタメンから外し、「前半はディフェンスで勝って、後半サントリーの足が止まったところで勝負に出るつもりだった」と会見で語っています。その勝負の時にナドロ選手を投入し、ゲームを決めようと考えていたようですが、その前に勝負がついてしまったという結果でした。
プレーオフファイナルは2月26日(日)
 「サントリー vs パナソニック」
秩父宮ラグビー場 14時キックオフ。
<プレーオフトーナメントの勝敗について>
1.4チームによるトーナメント方式(セミファイナル・ファイナルの2試合)を行い、得点の多いチームをそれぞれの勝者とする。
2.同点の場合は、以下の各号の順序により勝者を決定する。
(1)トライ数の多いチーム。
(2)トライ後のゴール数の多いチーム。
(3)延長戦前後半を実施する(10分ハーフ)。
(4)(3)でも勝負が付かない場合はリーグ戦順位の上位のチームを勝者とする。
3.ファイナルにおける勝者を優勝、敗者を準優勝。セミファイナルでの敗者を3位として、別途定める「表彰懲罰規程」により表彰する。但し、決勝戦で延長戦を経ても同点の場合、両者優勝とする。 (その他大会進出の際の位置づけは、リーグ戦順位、およびトーナメント表配置を適用する)
【プロフィール】
大元よしき(タイゲン ヨシキ)
1962年生まれ。2003年外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆。弓道三段。保善高校からラグビーを始め、チームは2、3年時に花園に出場するが、グラウンドに立てたのは開会式のみ。東洋大学、関東社会人リーグの東急、ミノルタで17年間ラグビーと共に歩む。
著書に
「命のバトン~個性派不登校児と自閉症児の教室」「1万回の体当たり~タックルマン石塚武生 炎のメッセージ~」「一緒に見上げた空~自閉症児×元不登校児 武蔵野東ラグビー部の軌跡~」「ジャパンラグビー革命」(上田昭夫/大元よしき共著)「ファイナルマッチ~ノーサイドの時を迎えて~(小説)」(大元夏樹名で発刊)。
その他イーブックでは、
「猛き風~伊藤剛臣世界への挑戦~」「最後のスクラム(小説)」あり。