日本代表はスタイルを創るべき

今シーズンも始まりました「WE LOVE RUGBY!」のコーナー。
すでに国内シーズンは開幕しているのですが、少しだけラグビーワールドカップについて触れておきたいと思います。
ちょっとお付き合いを。
ワールドカップの日本代表の目標は2勝。そのターゲットはトンガとカナダだった。試合前、世界ランキングでは日本代表を含めた3チームが並んでいた。
けれどトンガにはブレイクダウンで圧倒され、力の差を見せつけられた。「これが本物のトンガだ」と言わんばかりの迫力の前に夢は打ち砕かれた。
カナダには最後の最後に勝負強さで負けた。否、カナダとは、23-23のドローなので負けではない。負けではないが、やはり追いつかれた側としてみれば、敗戦のような苦さが記憶として残った。
日本代表 1分け3敗。
フランス代表 47-21 日本代表
ニュージーランド代表 83- 7 日本代表
トンガ代表 31-18 日本代表
カナダ代表 23-23 日本代表
大会前、「世界を驚かせる準備はできている」と日本代表ヘッドコーチのジョン・カーワン(JK)氏は語っていたそうだが、期待値が高かったせいか、ラグビーファンの落胆はさぞや大きいことだろう。
敗因については目の肥えたスポーツライターたちが書いていると思われるので、ここで私ごときが書くのは控えたい。
ただ、世界の進歩に日本が追いついていなかったことだけは確かだ。皮肉にもそれを上記のJKの言葉が裏付けている。そして彼は辞任という形で舞台から降りた。
日本代表が初めて結成されたのは1930年のカナダ遠征である。
以来、日本ラグビーは「世界」への挑戦の歴史を刻み続けてきた。ぶ厚い壁に挑み、蹴落とされ、突き放されても、時に肉薄し、その背中を追い求め続けた。桜のエンブレムは、血と汗と涙の歴史の象徴である。
1987年に第1回ワールドカップが開催されから、「世界」は加速度的に遠ざかっていった。そして、今回もまた突き放された。
2019年はこの日本でワールドカップが開催される。判官びいきの拍手や賞賛はいらない。勝利という結果が絶対に求められる。しかし、結果以前に必要なのは日本代表らしいスタイルであり、これがジャパンだという強烈な個性ではないだろうか。そのスタイルに愚直なまでにこだわれ。それが構築できてこそ、「世界」が驚くのではないだろうか。
“意志あるところ必ず道あり!” 日本ラグビーよ、己のスタイルを創れ。
【プロフィール】
大元よしき(タイゲン ヨシキ)
1962年生まれ。2003年外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか歴史関連、小説も執筆。
弓道三段。保善高校からラグビーを始め、チームは2、3年時に花園に出場するが、グラウンドに立てたのは開会式のみ。東洋大学、東急、ミノルタで17年間ラグビーと共に歩む。
著書に「命のバトン~自閉症児と個性派不登校児の教室」
「1万回の体当たり~タックルマン石塚武生 炎のメッセージ~」
「一緒に見上げた空~自閉症児×元不登校児 武蔵野東ラグビー部の軌跡~」
「ジャパンラグビー革命」(上田昭夫/大元よしき共著)
「ファイナルマッチ~ノーサイドの時を迎えて~(小説)」(大元夏樹名で発刊)。
その他イーブックでは、「猛き風~伊藤剛臣世界への挑戦~」 「最後のスクラム(小説)」あり。
                            「WE LOVE RUGBY!」