「井手麻記子さん」その3 最終回 女子ラガーウーマンに聞く

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――さて7人制ラグビーが2016年のリオデジャネイロ五輪から正式競技になることが決まり、それに伴って女子ラグビーに注目が集まり始めています。井手さんはこの現状をどうご覧になっていますか?
井手 もちろん、女子ラグビーにとって喜ばしいことですね。注目されることによって、選手みんなのモチベーションが上がりますし。ただし若い選手たち、特に昨年からのトライアウトに合格して日本代表や候補選手になった人たちには、日本代表でやるという強い信念を持っているかどうか、これを常に自分の胸に問いかけてもらいたいですね。
――強い信念ですか。
井手 2005年にタイでワールドカップのアジア予選があって、初めて私もメンバーとして出場を目指しました。香港には勝ったんですが、決勝でカザフスタンに敗れて本大会出場はなりませんでした。それから4年経って、2009年にシンガポールでアジア予選が開かれました。ここでも残念ながらカザフスタンに負けて本大会には出場できなかったんですが、この自分にとって2回目の予選に臨むにあたって、4年前の先輩たちの気持ちと、初めて経験する後輩たちの気持ちが両方分かったんですね。

――なるほど。

井手 その段階になって、4年前にもっとやれたことがあったなと気づいたんです。間違いなくワールドカップに行きたいと思ってはいたんですが、4年前には極限まで自分を追い込んで勝つという気持ちにはなっていなかったことがわかりました。代表としてもっと強い信念を持てていたはずだと。それだけに2回目でやっと分かるのではなく、初めての大舞台への挑戦の場でもそんな気持ちになれるよう、後輩に私たちのような経験のある者がしっかり教えていかなければならないと思っています。その責任が私たちにはあります。
――確かに若い選手たち全員が、その気持ちを持ってワールドカップ予選やオリンピック予選に臨む必要がありますね。
井手 そうなんです。特に7人制の代表チームは2016年のオリンピックを見据えて一気に若返りをしたんですが、経験のある者から直接伝えてもらう期間を設けてから若手に移した方がいいのではと個人的には思っています。私は15人制の代表で、7人制ではありませんが、訊きに来てくれれば私の知っていることはいくらでもお話しますよ。
――それでは最後に何かメッセージがあればお願いします。
井手 男子だけではなく、女子も一生懸命プレーしていますので、ぜひともたくさんの方に女子ラグビーを見ていただければと思います。応援どうぞよろしくお願いします。それから若い代表の選手は、辞めていった先輩たちや光を浴びていない方々があったうえでの女子ラグビー日本代表だということを忘れないで、強い信念を持ってプレーしてもらいたいと思います。
――本日はありがとうございました。
井手麻記子(いで・まきこ)
1981年生まれ。神奈川県横浜市出身。日本体育大学入学と同時にラグビーを始める。
2002年から女子日本代表に選ばれ、2005年と2009年のワールドカップアジア予選でプレーするなど、
現在15人制の女子日本代表不動の1列として活躍している。
Phoenix所属。ポジションはHO。

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