三洋電機ワイルドナイツ霜村誠一 その1 <トップアスリートの突き抜けた瞬間!>

誰もがはじめから強かった訳ではありません。
人は挫折や敗戦を経験し、自身の弱さと向き合い、葛藤を越えた先に再び強く立ち上がるものです。
そこには仲間との絆や家族の支え、師の教え、ライバルの存在などがあるかもしれません。そして人として、選手として突き抜けた瞬間があるものです。
このコーナーではラグビー日本代表、元日本代表の「ラグビーとの出合い」にはじまり、選手として「突き抜けた瞬間」に迫って参ります。
毎回選手から選手へ、チームをまたがってバトンを繋いでいただく形式で進めます。
今回は三洋電機ワイルドナイツの霜村誠一選手にご登場いただきます。
それでは、きらり輝く霜村選手の人間的魅力に迫ってみましょう。

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[プロフィール]
三洋電機ワイルドナイツ 霜村誠一(しもむら せいいち)
1981年9月20日生まれ。
175cm/85kg
東農大二高→関東学院大
日本代表キャップ3(2011年1月現在)

構成・文/大元よしき

<トップアスリートの突き抜けた瞬間!>三洋電機ワイルドナイツ霜村誠一 その1

ラグビーはチームスポーツの中では最も激しい部類に入る競技である。だからこそ美しさが求められる。凛とした知性と抑制のきいた野性から醸し出される「美」こそが、この競技の魅力と言えるだろう。
“野武士”と呼ばれる三洋電機ワイルドナイツ。あるときは知的に、またあるときは燎原の炎のようにフィールドを三洋色に染め上げる。ひとたび勢いがついたならば誰にも止めることはできない。
その野武士軍団を率いるのが霜村誠一である。地味で痛いことをいとわない自己犠牲の塊のような精神は、どこから生まれたのだろうか。
ストイックなその横顔に迫ってみよう。
キックオフ!
「走るのが速かったので小学生の頃はボールを持てばトライです。無敵だと思っていました(笑)。でも、いくらトライできても、あまり面白くないんですよ、好きにはなれませんでした。僕が本当に楽しいと思えるようになったのは、タックルをするようになってからなんです」
 霜村とラグビーの出合いは4歳の時。父親から「帰りにアイスを買ってあげるから行こう」と誘われ桐生ラグビースクールの練習に参加したことがきっかけだった。
「それなら行く」と言ったことが競技人生のスタートである。
小学生の頃は野球と空手をやっていたので、ラグビーが“1番!”というわけではなかった。だが、毎週通ううちに父親の方が先にラグビーに魅せられ、ラグビースクールのコーチを引き受けてしまったのだから、「好きじゃない」「辞めたい」なんて言える雰囲気ではなくなった。
タックルに目覚めるまでは、毎週無理やり連れて行かれたようなものだったという。しかし、大きな相手にナイスタックルを決め、その魅力を知ってからはラグビーにのめり込んでいった。
【続く】