NECグリーンロケッツ 熊谷皇紀 その3 <トップアスリートの突き抜けた瞬間!>

<トップアスリートの突き抜けた瞬間!>
NECグリーンロケッツ熊谷皇紀 その3

◇競技に魅せられて、しかし……
熊谷はすぐにこの競技に魅せられていった。
「練習はとても厳しくて、ラグビーも甘いものじゃありませんでした。でも大人数でできる競技なので、楽しいことも、嬉しいこともその分だけ大きいですからね」
ここからラグビーにのめり込んでいくことになるが、競技人生の入り口にして、不運にも椎間板ヘルニアを患い満足に練習ができなくなった。
「ラグビーは止めたほうがいい」と診断されたこともあったが、必ずできるようになると信じて、励まされて、家族に付き添われ、時に遠方の病院にまで通った。
こうした周囲の献身的な支えがあって、椎間板ヘルニアと闘いながらもラグビーを続けることができた。
この競技に怪我はつきものなれど、勝負の神さまは、どうして中学生にまで試練を与えるのだろうか……。
だが、この痛み、この苦しみ、この不自由さの先に突き抜けた瞬間を見るのである。

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◇突き抜けた瞬間。
「競技人生全般を振り返ってみても、僕の〝突き抜けた瞬間〟とは、中学3年の九州大会の優勝です。椎間板ヘルニアでチームに迷惑を掛けていたけれど、準決勝と決勝の2試合に出場することができました。
酷い痛みだったと記憶していますが、責任感から頑張り抜いたという思いと、みんなでやり遂げたという大きな達成感を味わうことができました。苦しい思いをして頂点に立てた成功体験が今につながっていますし、この喜びがあったからこそ、今までラグビーを続けてこられたのです」
中学時代は、この九州大会が頂点であり、最高の舞台であった。
故障を抱え、苦しみながらも頂点に立った感動が熊谷を大人に変えた。また、アスリートとしての価値観もこのときに原型ができたようだ。
「さらに高いところへ挑戦して、大きな感動を味わいたい」
テレビドラマ「スクールウォーズ」に胸を熱くしていた熊谷にとって、次なるステージとは高校生ラガーメンの聖地「花園」であった。
【続く】