ラグビー日本代表 大野均 その5 <トップアスリートの突き抜けた瞬間!>

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激しい競技だけに、ラグビーにおける明暗は勝敗だけとは限らない。怪我もその一つだ。
シーズンの大一番であるサントリー戦を1週間後に控え、ロックに負傷者が出た。
「チャンスが来た」と思った。
もちろん仲間の怪我を願っているわけではないが、ラグビーである以上、
怪我とは常に隣り合わせにあると選手たちは思っている。
大野もいつその時が訪れてもいいように準備してきたつもりだった。
「あの時は、リザーブには入れるだろうと思っていたところ、
スタメンに自分の名前があったので鳥肌が立ったのを憶えています。
当時無敵だったサントリーが相手なので、正直言うと大丈夫かなって不安もありました。
自分は初の公式戦でしたから、チームとしても半ば博打みたいな気持があったかもしれませんね(笑)」
1週間後に闘う相手は日本選手権2連覇中のサントリーである。
大野の公式戦デビューは最強チームへの挑戦となった。
◇大野均の突き抜けた瞬間!
そして迎えたサントリー戦。
分厚いサントリーのディフェンス網の中で、大野に変化が起こった。
「サントリーの選手らがタックルにきたんですが、それをかわしてゲインしたことがあるんです。
あの瞬間、『俺だってできるぞ!』って思いました。
それまでは、ただ必死にやっていただけなんですが、あのプレーから自分が変わりました。
自信です。
当時のサントリーは連戦連勝中でしたから本当に強かった。
その強いチームを相手に自分が変われた。振り返っても競技人生の中で一番意味のある試合だったと言えますし、
選手としてもっとも気持ちが変わった瞬間でした。」
突き抜けた瞬間、大野も自身に隠されている可能性に気がついたはずだ。
以降、選手としての階段を一気に駆け上がって行ったのである。
「楽しそう……、自分もあの仲間に入りたい……」と思って始めたラグビーだった。
人生のチャンスはどこに転がっているかわからない。けれど運命だけが結果をもたらせた訳ではないはずだ。
確かなことは、誠実に直向きに努力を積み重ねた結果が、今の大野均を作り上げたということだ。
大野は日本を代表する中心的プレーヤーとして、ワールドカップ2011ニュージーランド大会に挑む。
【続く】

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