ラグビー日本代表 大野均 その2 <トップアスリートの突き抜けた瞬間!>

画像

大野は福島県の農家に生まれた。
小さい頃から農作業を手伝いながら、家族のためにこつこつと働く両親の背中を見て育った。
「そういう両親の姿が自分の中では大きくて」と大野は振り返る。
その両親のもと真面目さと頑丈な身体を手に入れた。
小さい頃からスポーツが好きで、高校生までは野球少年だった。けれど……
「好きだったんですけど試合に出られるような選手じゃありませんでした。あまり器用じゃなかったんです。
父も野球が好きでよく試合を見に来てくれたのですが、いつも出ていないので申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
大好きだった野球だが、試合に出られなかった思いは、後年「出る」ことへの拘りとなって表れる。
◇楽しそうに見えたラグビー部の練習が人生を変えた。
ラグビーとの出合いは大学1年、日大工学部に入学してからだ。
日大といっても関東大学リーグ戦グループの強豪ではなく、部員数17名の東北地区リーグに所属する日大工学部ラグビー部である。
はじめは野球部に入るつもりだったが、長身で目立ったせいかラグビー部員に目をつけられた。
それから熱心なラブコールが始まった。
何度か「野球部に入ります」と断るものの、ラグビー部員は押すのが得意だ。
人のいい大野はその誘いを断りきれず、熱さに負けて「1回だけ見に行ってみよう」と思ったのが人生最大の転機となった。
「単純なんですけど、練習があまりにも楽しそうに見えたのです。
それで自分もあの仲間に入りたいなと思ったのがキッカケでした」
こうして大野は冒頭に記した通り、痛みの爽快感に魅せられてゆくのである。
ただ関東大学の強豪校のように「鎬を削り合う……」というようなものではなく、
牧歌的雰囲気の中で、地味に真面目におおらかに熟成されていった。
また、部員が少なかったためにフォワードからバックスまでいろいろなポジションを経験した。
それがラグビーに対する見方を柔軟にさせたのかもしれない。
【続く】

「WE LOVE RUGBY」