「鈴木彩香さん」その3(最終回) 女子ラガーウーマンに聞く

―ではこれから就職活動をされるんですね?
鈴木:はい。遠征に行くことに対して理解してもらえるような、ラグビーをすることを応援してもらえる会社に勤められたらと思っているんですけど。
先輩たちの中には、ラグビーを続けるために定職につかずフリーターで頑張っている人がいますし、
教師をするのにも専任ではなく非常勤の身分にして、活動できるようにしているという人もいます。
逆にラグビーを続けたかったけど、定職に就いてやめてしまった方もいらっしゃいますよね。
―どうすれば、そういった理解のある会社が増えてくると思いますか?
鈴木:それはやはり結果を残すということが一番でしょうね。
弱くて世界と戦えないような競技では、会社に迷惑を掛けて遠征に行くことなど許されるはずもないでしょうから。
―オリンピックに出るためには、勝ち上がってアジアの代表にならなければなりません。
今おっしゃられた結果を残すということは、当面の目標としてアジアで1番になることだと思うんですが、
7月に行われた「IRBアジアウィメンズセブンズ」では、中国、カザフスタン、タイに次いで、
日本は4位という結果でした。現状の日本の課題や問題点というと、どんなことになりますか?

鈴木:今はまだ、日本の持つ強みを出す手前のところでやられている感じです。
アジアの国々と戦っていて、正直、上手いと思うチームはないのですが、カザフスタンにしても中国にしても、
大きな身体を活かしたパワーとスピードで勝負してくるんですね。
そんな相手に対して、日本はフィットネスで負けていて、1対1の勝負ができない状態にあります。
フォローする味方がいるときには相手と勝負ができても、1対1の場面では抜かしに行くこともせずに、
誰かにパスを投げてしまっていることがよくあります。
1対1で勝てるように、もっとフィットネスを上げてスピードを増し、フィジカル面を強くすることが必要ですね。
逆にカザフスタンや中国は、1対1どころか、1対2でも勝負を挑んでくるんですけど。
―では鈴木さんは、日本がアジアでNo.1になるためにはどんなラグビーをすればいいと考えていますか?
鈴木:私が考える目指す形というのは、どこにでもサポートプレイヤーがいて、敵の手の届かないところでプレーをするラグビーです。
相手に触れさせず、「あれあれ」と思わせているうちにトライしたいですね。
―日本にそんなラグビーができる可能性はありますか?
鈴木:そうできる器用さというのは、日本人にはあると思っています。それが私たちの強みだと思うんですね。
そのためにはスペース感覚をもっと磨いて、その場でのベストプレーができるように判断力を上げ、
パスワークを向上させる必要があります。
そうすれば絶対に世界と戦えますし、アジアで勝ち上がってオリンピックに行くことは十分できると信じています。
―本日は貴重なお話をありがとうございました。
では次の方にバトンを渡してもらいたいのですが、どなたに繋いでいただけますか?

鈴木:井手麻記子さんにお繋ぎします。
15人制の代表でフッカーをやっている方です。
女子ラグビーの苦しみを知っていて、本当に好きで、勝ちたくてやっている人です。
体育の先生なんですけど、子供みたいな可愛いところのある方ですので、楽しみにしていてください。

「WE LOVE RUGBY」

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鈴木彩香(すずき・あやか)
1989年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学1年のときに、女子日本代表として15人制のアジア大会、7人制のワールドカップセブンズアジア予選及び本大会に出場。
大学2年のときには15人制のワールドカップアジア予選に出場し、U23女子7人制代表のキャプテンとして香港セブンズに参加した。
大学3年となった今年は、7人制日本代表のキャプテンとしてアジアセブンズに出場し、15人制日本代表のバイスキャプテンとしてイングランド遠征に参加している。
現在、関東学院大学人間環境学部現代コミュニケーション学科3年生。
横濱ラグビーアカデミー所属。ポジションはSO、CTB。