「第51回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝!」

「第51回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会 準決勝!」 2015年1月2日「第51回 全国大学ラグビーフットボール選手権大会」の準決勝2試合が行われ、6連覇を目指す帝京大学と初優勝を目指す筑波大学が決勝進出を決めました。 決勝戦は1月10日味の素スタジアムで行われます。

◇準決勝第1試合「筑波大 17-16 東海大」 こうしたハイレベルの試合の勝敗はどこで分かれるのだろうかと考えさせられる試合だと感じました。前後半を通して安定していたのは東海大です。 筑波大のラインアウトのクリーンキャッチは2/3程度、スクラムでは筑波大ボールをターンオーバーするほど東海大が圧倒的優位に立っていました。セットプレーの安定感という点では東海大が上回っていたと見てよいでしょう。
しかし、ブレイクダウンにおけるペナルティが多いのが気になりますが、PGによる失点は3点のみですからそれほど差があっとは思えません。 後半34分時点の得点は「筑波大3-16 東海大」でした。しかし、東海大ゴール前スクラムからのパスが乱れ(パス自体のミスではなく、キャッチャーとのコミュニケーションミスだと考えられます)ボールがインゴールに転がり、処理ミスを重ねて筑波大ボールのペナルティになりました。
ここが勝負の綾となり、筑波大の気持ちが凝縮された6分間が始まったのです。そして2トライ、2ゴールを返し逆転に成功。決勝戦への切符を手にしました。 東海大はスクラムでは圧倒的優位に立っていたので、あのゴール前のシーンで慌ててはいなかったはずです。しかし、魔は突然訪れました。有名な言葉に「負けに不思議な負けはなし」というのがありますが、この敗因をどう見れば良いのか考えてしまいました。
試合後、筑波大の水上翔太ゲームキャプテンは「70分間は何をするべきかまとまっていなかった」「1本取り返した後の顔がみんな明るかったから負ける気がしなかった。東海大の主な得点はDGの3点刻みなので75分が過ぎてもいけると思っていた」また「あの時点で東海大の足が止まっていた」と語っていました。 しかし、単純にフィットネスの差が出たという理由ではないはずです。 勝ちと負けを隔てるものは複合的で単純に理由づけできるものではありませんが、紙一重の差ほど超えるに難しいものはないのかもしれません。
◇準決勝第2試合「帝京大 53-10 慶應義塾大」 本来中立でなければいけないはずですが、正直に言ってしまえば慶應義塾大を応援していました。やはり大学スポーツは実力伯仲のチームに乱立してほしいという欲求があります。 日本ラグビー史上大学選手権の5連覇を成し遂げているチームは帝京大しかありません。それは称賛されるべきものであり、勝ち続けるチームを作り上げた帝京大から多くを学ばなければなりませんし、学ばなければ超えるチームは出来ないでしょう。
ですが、ラグビー好きの一ファンとしては、関東大学リーグ戦グループや関西勢から「ストップ!」をかけるチームに登場してほしいのです。 矛盾しているかもしれませんが、帝京大に負けて欲しいと望んでいるわけでは毛頭ありません。 私は以前、岩出雅之監督にロングインタビューをさせていただきましたが、そのときお聞きした内容から導き出した答えは「勝ち続けるチームの要諦は人間教育にあり」というものでした。ラグビーを超えて社会で活躍できる人材を、ラグビー通して育てるというものです。人間としての総合力を高めなければ、試合に勝つことはできませんし、勝ち続けるチームはできないということです。
勝利至上主義に走りがちな勝負の世界で、一見回り道とも思える人間教育に重きを置いたチームが、勝利し範を示すことには大いなる意義があります。
なんだか矛盾したことを書いてしまいましたが、決勝戦がファンの記憶に深く刻まれるような素晴らしいものになることを期待しています。
◇「全国大学ラグビーフットボール選手権大会」セカンドステージ結果
プールA:1位 帝京大、2位 天理大、3位 法政大、4位 朝日大
プールB:1位 慶應義塾、2位 流通経済大、3位 京都産業大、4位 中央大
プールC:1位 筑波大、2位 明治大、3位 大東文化大、4位 関西学院大
プールD:1位 東海大、2位 早稲田大 、3位 同志社大 、4位 立命館大
◇第51回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 ファイナルステージ準決勝速報サマリー(日本ラグビー協会のHPへ飛びます) http://www.rugby-japan.jp/national/college/2015/id30033.html
「We love Rugby は国内のすべてのラグビーを応援しています」
大元よしき(タイゲン ヨシキ) 1962年生まれ。東洋大学経済学部卒。2003年外資系IT企業のマネージャーからフリーのライターに転身。スポーツのほか、少年非行、歴史関連も執筆。保善高校からラグビーを始め17年間ラグビーと共に歩む。 その他のスポーツ歴は水泳、剣道、ハンドボール、弓道(三段)。