ラグビー日本選手権1回戦 帝京大クロスゲーム制す!

2014シーズンの全国大学ラグビーフットボール選手権大会を圧勝して6連覇を達成した帝京大学が、2015年2月8日日本ラグビーフットボール選手権大会に臨みました。

対戦相手はワイルドカードを勝ち上がったNECグリーンロケッツです。

近年大学生チームとの力の差が開き続ける感のある日本選手権ですが、帝京大は「打倒トップリーグ!」を目標に掲げ、「帝京大31-25 NEC」と見事にそれを実現して見せました。

2006シーズンの早稲田大vsトヨタ自動車以来の勝利です。その他1回戦に登場した筑波大、慶應義塾大、東海大が大差で敗れているだけに意味の深い勝利と言えそうです。

 

さて、毎シーズンのことですが日本選手権の時期の秩父宮ラグビーは、最悪のグラウンドコンディションと言わざるを得ません。そのうえ当日は雨です。スクラムでは両チーム共に苦しんだと想像します。きっとどちらも「自分たちがコントロールしていた」と言うかもしれませんが、最後までNECが優位に立っていたと見ています。さらにラインアウトに至っては帝京大の獲得率は50%以下でした。

攻撃の起点となるセットプレーの重要性は言うまでもありません。この差からNEC優位はまぎれもない事実だったと言えるはずです。前半を見る限り「17-17」と点差こそ離れませんでしたが、後半力の差が出るのでは? というのが大方の意見ではなかったかと想像します。

 

しかし……。

 

「クロスゲームになることは最初から想定していた。その中で正確にプレーし自分たちの強みを出す。ミスが出ても次のプレーを意識していこう」また「前半どれくらいのクロスゲームになっているかで、後半いかに相手のエネルギーを奪うかと考えていた」と試合後に語った帝京大の岩出雅之監督。

クロスゲームに持ち込めば自分たちが描いたシナリオ通りという自信の響きを感じました。(誤解のないように、「驕り」とは異なるニュアンスです)

 

後半に入り、帝京大のラインアウトの獲得率はさらに下がります。しかし、フィジカルの強みを生かした帝京大が身体を張ったタックルやブレイクダウンでしぶとく戦い、NECの焦りを誘いました。そして時間の経過とともに流れを掴んでいったのです。

勝利を決定づけたのは、帝京大23-20NECで迎えた後半35分。NECインゴールへ蹴り込んだボールを押さえて帝京大が突き放したシーンでした。NECの動きは止まり、真っ赤なジャージがNECインゴールに踊るように走り込みました。リアクションはアクションには勝てません。この時点でゲームをコントロールしていたのは帝京大でした。

 

「帝京大31-25 NEC」

 

大学生チームのトップ4まで出場枠が広がったものの本当にそれで良かったのでしょうか?

日本選手権のあり方を考えるにこのままで良いとはとても思えませんが、帝京大の勝利は希望とも言えるものです。

日本選手権2回戦(2月15日)の対戦相手はトップリーグの強豪東芝ブレイブルーパスです。

 

 

「We love Rugby は国内のすべてのラグビーを応援しています」

 

 

 

大元よしき(タイゲン ヨシキ) 1962年生まれ。東洋大学経済学部卒。2003年外資系IT企業のマネージャーからフリーのライターに転身。スポーツのほか、少年非行、歴史関連も執筆。保善高校からラグビーを始め17年間ラグビーと共に歩む。 その他のスポーツ歴は水泳、剣道、ハンドボール、弓道(三段)。

 

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「あの負けがあってこそ」 「障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた」 「ルポ・少年院の子どもたち」

 

著書に

「今日も晴れ~スポーツがくれたもの」  (大元よしき『Team truth』プロジェクト編集)

「あの負けがあってこそ~再起を懸けたアスリート25の軌跡」

「命のバトン~個性派不登校児と自閉症児の教室」

「1万回の体当たり~タックルマン石塚武生炎のメッセージ~」

「一緒に見上げた空~自閉症児×元不登校児 武蔵野東ラグビー部の軌跡~」

「ジャパンラグビー革命」(上田昭夫/大元よしき共著)

「ファイナルマッチ~ノーサイドの時を迎えて~(小説)」(大元夏樹名で発刊)